部屋に入ると、今日のことを思い出した。


(浮気ばっかなんでするんだろ…。

どうして放課後だけしか、キスしないんだろ…。

ていうか、あたしの方が、欲求不満みたいじゃんか)



きゅっと目を瞑った。


(一途に愛して欲しいとか…。

そんなのありえないのにね…)


目を閉じていると、いつの間にか眠っていた。


気づくともう11時を過ぎている。


お母さんもお父さんも出張で、
中々帰ってこないし、家は今1人。



シャワーを浴びて、着替えを済ませたとき停電になった。


「え…」


昔の恐怖が甦った。


[誰か、誰か助けてよっ!]


お母さんがその日いなくて。

お父さんもいなくて。


あたしまた、1人のとき。

家の近くで雷が落ちた。


怖くて、震えていると―…。


[ひまりっ、どうしたんだよ!]