―蒼斗Story*
俺はこの世で、何を犠牲にしてもいいくらい大好きな人がいた。
「蒼斗っ!こらこら、暴走族の世界なんてダメだぞ?」
「うるさいなぁ…、いいでしょ?俺の趣味なんだし」
付き合って、もう3年目。
俺等は中学3年の初めから付き合っていた。
俺は両親が中学2年の時事故でいなくなって、学校に行く気力も失っていた。
そして不良の世界へ足を踏み込んだ。
髪は地毛の黒色から金髪へ。
耳に穴をあけて、ピアスをつけた。
夜道を遊んでは、不良仲間の古いバイクを譲ってもらい、走りまくった。
もう現実を見ていなかったんだ。
そんな時、中2の半ばでアイツと出会った。
委員長だったらしく、俺に学校へ来いと説得しに来たみたいだった。
俺はアイツの身体を無理やり抱きしめ、強引にキスを迫った。

