浮気彼氏から奪うオトコ。






懐かしい、妃鞠の部屋を見つけると、そっと扉を開く。

そこにはすやすやと眠る妃鞠がいた。




布団をかけなおすと、俺は妃鞠の傍に座った。



(…コイツの部屋。昔と変わらず、綺麗だなぁ)



冷たい態度を取り続けても、離れなかった妃鞠は凄いと思う。



「ん……、いか…ないで」

「んあ?」



妃鞠が何かうわ言を言い出した。

それに反応してしまった自分が恥ずかしいと思っていると。



「廣…クン……」




俺の名前が出て、一瞬ドキッとした。


愛しい妃鞠の頬に触れると、白くて柔らかくて、つい意地悪したくなる。



そんな衝動を抑えながら、俺は妃鞠の頬にキスをした。



(コイツ…、あの野郎と付き合ってんだな)