物凄いめんどくさそうな顔をした由良くんが、そこにはあった。 それから、ああ、と思いついたように教室の黒板に視線を移す。 黒板の右側には、10月31日の文字。 そう、今日はハロウィン。 そして、私と神崎くんが練りに練って考えた作戦を実行する日。 「俺、菓子とか持ってないけど」 やっぱり。 由良くんがハロウィンなんて気にしているはずない。 ココの読みは、神崎くんとの作戦通り。 私は、ばっと顔を上げて、 「じゃあ、」 「いいよ、どんないたずらしてくれんの?」 「……ェ」