「自力で降りる。」 さっきまではあんなにカタコトな言葉で降ろしてと懇願してきたのに、真顔でそう告げる百華が面白かった。 百華はなんで俺が笑い出したか、わかりませんって顔をしている。 その直後、何を思ったのかいきなりまた暴れ出した。 「暴れんなって、落とすぞ。」 とっさにそう言うと、またピタッと動きを止める。 そんな百華が可愛くて、面白くて、愛しくて仕方がなかった。 百華はさっきからキョロキョロと何かを探すような素振りをしている。 あ、もしかしてこいつ、遅刻気にしてる?