病愛。【完】

成美side




綾香…




私はみんなが興奮してる中…一人、不安になっていた。






アレはきっとおかしいって言われている恭平って人…






そんな人にキスされてるのに。






綾香は全然動かない。






綾香…一体どうしちゃったの…?









教室に綾香が来ると私は誰よりも早く綾香に声をかけた。






「今の…あの恭平じゃないの…?」






「…そうだよ。」






平然と答える綾香。





いつもそうだ。





綾香はいつも…自分を犠牲にしてしまう。






そして自分が辛くても私達には何も言わない。





ずっと一人でこらえてしまう…






そんな優しい子。






だから私は綾香が大好き。





でも…




やっぱり言って欲しい。





私達にも…弱音を吐いてほしい。









「伊藤。来い。」






そう言い綾香のうでを引いて教室を出て行く颯。






私も颯とは長い付き合いだけど…





颯は私よりもずっと綾香を思ってて…





ずっと綾香のことが好き。






「大丈夫かな…」






私はすごく心配だった。





颯もガマンの限界だと思う。






きっと、早く綾香を自分のものにしたいって思ってる。







けれど今、告白なんてしちゃったら、綾香がおかしくなってしまう。






もう少しだけこらえてほしい。







告白するのは…まだダメ…






私は颯が告白しないことをずっと願っていた。








この願いが叶うのかは…わからないけど。