病愛。【完】

翌日。





「…」




「…」





真と会話のない朝食をとり、私は家を出た。





家の前には…





「綾香。」





ずっといたのか恭平が玄関にいた。




学校は真逆の方向なのに…





「別に迎えに来なくても…」




「迎えに来るのは当然だろ?彼氏なんだから。」






彼氏_____





その事実が私の心をむしばむ。




本当に恭平は私の____







「でも…」





「学校まで送ってく。」






恭平はそう言うと私の手をつなぎはじめた。






「ちょっと?!」




「行こうぜ?」





強引で俺様なところは変わってない。







…でも。




やっぱり私…










こうして学校に着いた。





「じゃあ…お前は俺の彼女なんだから。ちゃんと約束も…守れよ?」





そう言うと校門の前で私にキスをした。







唇に触れるキス。





みんなは声をあげたりしていたが…





私は嬉しいなんて思っちゃいなかった。






恭平が唇にキスするというのは…





束縛の意味。






私を縛る……苦しいキス。