病愛。【完】

数時間後。



住宅街の路上では救急車が止まっており、たくさんの人だかりもできていた。





「ウソ、だろ…?真?真!!」



朝輝は混乱状態に陥っていた。




それもそのはずだ。



昼まで一緒にいた親友が…果てた姿でいるのだから。




成美も信じられないという表情で目を見開いていた。




…そうしていると。








「あなたたち…真くんの友達?」




そう話しかけてきたのは…



涙をたくさん流した女の人。




彼女はこの家にいた…恭平の母親なる人なのだそうだ。




「そうです。真は…どこにいたんですか…?」



朝輝が恭平の母親に尋ねる。




「真くんは…物置部屋のところに倒れてたの。」




「物置部屋…?」




「ええ。ずっと使ってなかった部屋だったんだけど…」




恭平の母親はそこまで言うとうつむいて




「なぜか…部屋は真っ赤だったの。」




「真っ赤…?」




そう聞き返した成美は嫌な気しかしなかった。




「血…なのでしょうね。今、警察に頼んで真くんの血か見てもらってるの。」




「真は…殺されたんですか…?」




朝輝が尋ねると恭平の母親はまた涙を流した。




「きっとそう。それ以外、考え付かないもの。」




「誰かとか…わかったりしますか??」




すると…恭平の母親は声を震わせながら答えた。


















「真くんを殺したのは…私の息子、恭平よ。」





そう…はっきりと言った。