病愛。【完】

真side




俺は見慣れた恭平の部屋に入った。




そして部屋一面を見渡した。




殺風景な部屋だった。




いや、男の部屋というのは大体、そうなのか。



俺は首をふった。




「早く手がかりを…!!」




そう。俺は綾香が縛られている鎖を解くための手がかりを探しに来たんだ。




一刻も早くあの鎖を解いて…




早く綾香を自由にさせてやるんだ…!!




その思いで胸がいっぱいだった。







俺はずっと綾香に何もしてあげられなかったから。




今度は俺が綾香を助ける番なんだ…!!




でも、検討なんてつかなかった。



暗証番号なんて…




それがわかる手がかりの在り処なんて…




そんな時、俺の目にふと飛び込んできたものがあった。







「全然ほこりがかぶってない…」



そう言い手に取ったもの。



それは、机の上に置いてあった…アルバムだった。



ほこりはかぶってないが…



だいぶ古いアルバムのようだった。



俺は一ページめくってみた。




すると…




「綾香…?」




アルバムに入っていた写真はすべて綾香だった。




綾香の小さい頃の写真から…俺の写ってる写真もあった。




恭平がどれだけ綾香が好きか、思い知らされた気がした。




俺が綾香を好きなように、恭平も綾香が好きなんだって…







「って!!何してるんだか…」




俺がため息をついていると…



アルバムに入っていた写真の裏から…




何かメモのようなものが出てきた。




そしてそのメモには、5ケタの数字が書かれてあった。




暗証番号…!!




俺が確信したときだった。












「何やってるんだ?こんなとこで…」




ドアのほうから声が聞こえてくる。



恐ろしく…低い声の恭平が____