病愛。【完】

ガチャガチャ…




ドアの向こうから鎖の音がする。




帰ってきっちゃったか…




私はそんなことを思ってため息をついた。




また私は恭平に縛られてるって実感することになるんだ…







___しかし。




おかしいと気づいたのは数分後だった。




なぜかなかなか鎖の音が鳴り止まないのだ。




まさか…まさかね…




すると続いて、ドアをたたく音が聞こえてきた。




その時、一瞬でわかった。




今、ドアの前にいるのは恭平じゃないって。





「助けてっ…助けて!!」




私は必死に助けを請う。



すると…





「聞こえる?!俺だよ!!」




ドアの向こうから声が返ってきた。



この声…!!




「真!!真なのね?!」




ドアの向こうにいるのは、真…!!




「綾香!!すぐに開けるから!!待ってろよ!!」




真はそう言い鎖を頑張って解こうとしている。




…そういえば!!





「真!!その鎖は暗証番号がないと開かないの!!」



私がさけぶ。




「暗証番号…」




「私も知らないけど…手がかりが恭平の部屋にあるかもしれない!!」




「わかった!!探してみる!!」




ドアの向こうから気配がしなくなった。




私は目をつぶって祈った。




どうか…真が暗証番号の手がかりを見つけられますように…





暗くせまい部屋に差し込んだ、一筋の光。




期待をせずにはいられなかった…