結婚式の招待状─


その言葉がこの数分間で大ダメージを与えた。



「け、っこんしき…ですか?」



「あ?ああ、俺のじゃないんだけどな」



課長のじゃ…ない?


──良かった…


ホッとしている事に、その時は気づかな
かった。



「そこで、なんだが」



「…っと、その前に上がりませんか…?」



さっきも上がるといったが、玄関でずっと立ち話をしてしまった。


…課長はずっと黙ったままだ。



「君って人は…馬鹿なのか?
少なくとも大の大人が彼氏でもない男を家にあげるか?」



「え、ごめんなさい…」



何時ものように怒られたと思って涙目になっていると、ため息をつかれた。


また怒られる…!
そう思って目をぎゅっとつぶった。



「…違う、怒ってない。ちょっとした──」



その先の言葉は更なるお客さんの音で聞こえなかった。


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「なに、言おうとしてたんだ…俺」