一曲目が終わり、二曲目。
淡い恋心と切ない恋模様を歌った歌。
素敵だ。
素敵過ぎて、なんだか胸が苦しい。
心地よい歌声を胸に沁み込ませながら、私は広瀬くんに思いを伝えることにした。
胸に手を当てる。
心臓が、激しく脈打っている。
「私ね、今とても楽しいの。……けど、緊張しているしちょっと怖い」
隣にいる広瀬くんがこちらを見た。
私は、シンガーの女性を見つめたまま、言葉を続ける。
「一ヶ月ぶりに会うし、やっぱりドキドキしちゃって。変に意識してさ」
「和泉さん……?」
「……あの日からかなあ。最後に会った日」
瞼を軽く閉じた。
一ヶ月と少し前。
あの日の事を思い出しながら。



