もう夕暮れ。
茜色の空の下、私達は隣に並び合う。
ぎこちない距離と会話。
空いた時間を取り戻すかのように、手探りであの頃の私達を探した。
笑顔の彼を。楽しむ私を。
久しぶりに彼の車の助手席に乗って、レストランにやって来た。
大正時代からあると言われる老舗の料亭。
ここでは旬の食材を使った創作懐石料理が食べられるのだという。
高級感漂うレトロな店内は、私の心をくすぐった。
赤い絨毯。
シャンデリア。
艶めいた茶色の西洋風家具。
まるで、大正時代のお姫様や華族がやってくるようなお店で、今にも長い髪を結い上げ豪華な振袖を着た令嬢や、髭を生やして杖とハットを被ったハイカラな伯爵がやってきそうだ。



