涙が出そうになるのを抑えた。
そして、耐えながら頭を思い切り下げた。
人生で、こんなに頭を下げたのは始めてだと思う。
精一杯の謝罪だった。
拙い言葉をしっかり聞いてくれる森芝さんに甘えて、彼に配慮もなく色々話してしまったかもしれない。
言い方も、良くないものだったかもしれない。
それでも、そんな私でも受け止めてくれる森芝さんは、なんて優しいのだろうか。
申し訳なくて、そう思う気持ちも烏滸がましい気がして、悶々とした。
頭を下げる私の肩を掴んで起き上がらせ、「残念だけど、今までありがとう」と言った森芝さん。
返事として「貴方と出会えてよかった」と答えた私に、彼は笑って「俺も」と言った。
ああ……なんて、切ない。



