「彼は…まあ、大学で知り合った友人ですよ」
「そうなんですか?向こうは貴女に気がありそうでしたよ」
「んー……どうでしょう?年下の男の子で、可愛らしいんですよ。犬みたいで」
「わーそれ、気になる人から言われちゃうと傷付きますよ、男は」
「あはは。その台詞ね、朝風くんが気になってる大学生の女性から直接言われたらしいですよ」
「えーっ!?」
「あっ、ちょっとそれ言わないで下さいよ!まだ傷付いてるんすから!」
会話を楽しんでいたら、気付いた時には夜の十時を過ぎていた。
可愛い腕時計を見て、驚いた。
「ごめんなさい、こんなに長居してしまって」
「いえいえ、お気になさらず。もうお帰りですか?」
「はい。美味しい料理、ご馳走様でした。また来ます」
レジで朝風くんに会計をしてもらう。
やっぱりお安い。



