「は?!バカじゃないし!教室が暑くて顔赤くなってるだけだし!」


強がって、小さい声で反論した。

少し嘘をついたのは、大翔に心配されるのがなんか変な感じがしたから。

本当は、こんな反論するのも体力使ってる。

いつもなら軽くあしらうのに、今は一つのことに神経を集中させないと、倒れそう。


「あーはいはい、そーですねー。」


こんのっ……バカにしやがって……!


「だか……ゲホッゴホッゲホゲホッ」


言い返そうとしたけど、咳が邪魔をした。

でも、邪魔したのは、咳だけじゃなくて……



ガ……タッン!



あたしは、風邪のせいで椅子から落ちた。

風邪、のせいっていうか、この風邪絶対におかしい。

いつもなら、熱なんて一日で治るのに。

いつもなら、咳なんてこんなに酷くならないのに。

そこからの記憶はない。