「あのさ、ここってなんて病院?」


「松本総合病院」


あ……、あたしの家の近くの病院か。

風邪ひいてて、学校行って、健康観察のとき大翔にバカにされて、そこから……あれ、どうしたんだんだっけ。


「お前、ナースコール押さなくていいのか?」


「何、ちょっと待って。今考えてんの」


あたしのことなんか気にしないで、ベッドの近くのボタンを押した。


「ちょっと、何してんの?」


「起きたんだったら、知らせないと。ずっと意識なかったんだろ?親もまだ来てないみたいだし」


あ、そうだ……!

気失ったんだ!

すると、ボタンを押してから一分もしないで看護士さんが来た。


「おぉ、本当に来た。しかも、すんごい早い……」


なんて、少し驚く。


「当たり前だろ。来なかったら患者どうなると思ってんだよ、馬鹿か」


「あ?なんか言った?」


こいつ、人の感動潰しやがって……。

やっぱり苦手だ。