不意に彼女との距離が近くなり、彼女の細くて長い髪がすぐそこで揺れた。
彼女は何をしているんだろうと、少し不思議に思っていると、僕の胸元で彼女のネックレスが微かに光った。
「……どうしたの」
「あげる」
「……どうして?」
僕がそう言うと、さっきとは違う少し困ったような表情で彼女は微笑んだ。
「あなたには、たくさん涙を流して欲しいから」
彼女は、小さく呟いた。
「それって、どういう……」
「もう、行かなきゃ」
僕の言葉を遮るように、彼女が言った。
彼女から目線を逸らして、線路の方を見ると、丁度電車が僕たちの目の前に着いていた。


