そう言いながら、重い足を引きずって立ち上がる。 だけど、少しづつ僕と彼女の位置がズレていく。 ゆっくりと、彼女が会えない距離に。 「待って……」 手を伸ばしたとき、少し曇った電車の窓ガラスの向こうで 彼女が、泣いている気がした。 「……っ」 そう息を飲んで、瞬きをした瞬間、僕の目の前から電車が消えていた。 僕の伸ばした手は、行き場をなくして、冷たい風に包まれる。