数秒の沈黙を先に破ったのは、 「…大丈夫?」 やはり、彼の方で、 私はそれに対し、 「…えぇ」 ただその一言を返した。 「そぅ、それは何より。」 彼は先程の挑発的なのとはまた別のニュアンスを纏った笑みを、口元に浮かべた。 首元に纏わり付くゆるいパーマ掛かった、銀の髪、 透けそうな程、真っ白な肌、 細身の体躯、 そして、長い睫毛の隙間から覗く、光る月色の瞳。 月明かりしか頼れる物がなくても、分かる。 本当に、整い過ぎた容姿。