詩織side
「俺は、お前をただ、守りたいんだ。」
これ以上、抵抗しても、無駄だな。
そう思って、
「…わかった。」
その契約書に、サインした。
普通、逆じゃない?と思った。
守ってくれ、なら分かる。
なんでこの人、守られてくれ、何て言ってるんだろう。
そんなに、
辛いこと、あったのかな。
守れなかった人でも、
いるのかな。
それなら、引かないのにも、納得できる、気がした。
大切な人を、私に、重ねてるのかな、なんて、
一人だし、ちょうど良かったのかな、なんて、
ぐるぐる頭の中で考えていると、
「七瀬海吏」
唐突に言われた。
「え?」
「俺の名前、七瀬、海吏。そんで、あのメガネは、笹森修也。」
七瀬、海吏
笹森、修也
「改めて、よろしく、詩織。」
そう言って海吏は、私の頭をくしゃり、と撫でた。
けど私は、
「う、ん。」
そんな優しい彼に、その程度の返事しかできなくて。
それでも、
ここにいれば、
少しくらい、変われるのかな、
そんな、淡い期待を抱いている私が、
この時確かに、
存在した。
「俺は、お前をただ、守りたいんだ。」
これ以上、抵抗しても、無駄だな。
そう思って、
「…わかった。」
その契約書に、サインした。
普通、逆じゃない?と思った。
守ってくれ、なら分かる。
なんでこの人、守られてくれ、何て言ってるんだろう。
そんなに、
辛いこと、あったのかな。
守れなかった人でも、
いるのかな。
それなら、引かないのにも、納得できる、気がした。
大切な人を、私に、重ねてるのかな、なんて、
一人だし、ちょうど良かったのかな、なんて、
ぐるぐる頭の中で考えていると、
「七瀬海吏」
唐突に言われた。
「え?」
「俺の名前、七瀬、海吏。そんで、あのメガネは、笹森修也。」
七瀬、海吏
笹森、修也
「改めて、よろしく、詩織。」
そう言って海吏は、私の頭をくしゃり、と撫でた。
けど私は、
「う、ん。」
そんな優しい彼に、その程度の返事しかできなくて。
それでも、
ここにいれば、
少しくらい、変われるのかな、
そんな、淡い期待を抱いている私が、
この時確かに、
存在した。
