詩織side


ーーー寒い


時間も時間だし、外だからって言うのもあるけれど、


それよりも、


さっきから、


人の気配が、止まない。


気持ち悪さまで感じる、この感覚、


もう、


「隠れてないで、いいですけど。」


疲れた。


命の保証はない…か、


まぁ、今更よね、


もう、どうでもいい。


私は、立ち止まり、


「あ、きづいてたんだ?」

「なら、話は早えな」

「来いよ」


ニヤつく男と、楽しそうに笑う男と、無表情の男。


「…」


私はあくまでそれには答えず、


ただそいつらの言うがまま、


腕を引かれながら、


その場から消えた。


優しい彼らが、


あの時こっそりつけてくれたGPSを、


壊すでもなく、


そっとその場においてーーー。