鳥居近くの居住スペース辺りから社の中間を過ぎた時、

私の視界端には<何か>が横切るのを捉えた


「何………?え、狐?」


私は<何か>が消えた方に歩み寄るとその正体は狐だった

何故、山奥でもないこんなところに狐が?


「狐さん?どうしたの?こんなところで」


狐は神の使いの一種だ

お稲荷さん然り、うちも《狐》だし………

が、狐は私と目を合わせたと思うとすぐに視線を外し駆けていった


「首輪?みたいなのしてたからペットだよね」


狐の首には数珠のような形をした少し大きめのものがかかっていた

あの姿で神社にいたらどうみても神の使いだよね………

私は何か引っ掛かりを覚えながらも家の方へ引き返した

後ろから先程の狐が此方を眺めているのに気付かないまま