私は早々にお昼ご飯を食べ終え、教室を飛び出した。

そのまま校舎内を走り回る。



屋上は鍵が閉まっている。

あと人気のない場所と言えば―――…。



裏庭しかない。




私は裏庭へ足をすすめた。

案の定、彼女は裏庭にいた。

裏庭にある鏡の近くにあるベンチに、座っていた。



カサ、と私の足が落ち葉を踏む音に、彼女は気づき顔を上げた。



「…アオ」



私はベンチに腰掛け、彼女に両手を差し伸べる。




「持ってきてくれたの?」



怪訝そうな顔をするアユに、予め書いておいたホワイトボードを見せた。



〈お腹空くでしょ?〉

「…アハハ、ありがとうアオ」



私が教室から持ってきたオムライス弁当の蓋を、アユは笑いながら開ける。

その笑顔は弱々しい。