「高岡、吾妻を頼むな」



私を見て満面の笑みを浮かべる先生。

…先生は、私の声が出ず、ホワイトボードを使いながら会話していることを知っているはず。

それなのに…私の隣?



「高岡だけじゃ不安だからな…。
おーい真島。高岡のサポート頼むな」

「わかりました」



イケメン好きのアユ、満面の笑顔で了承。

…良いのかい?それで。



「じゃ吾妻、アイツが高岡な」

「はい」



短くお返事した吾妻くんは、私の隣に来た。

机は教卓の隣に使われず置いてあったものを使った。

埃などは丁寧に先生が拭き取っていた。

当たり前か。



隣に来た吾妻くんは私に小さく会釈した。

私も一応礼儀として返す。

挨拶を去れたら挨拶を返すのが常識だから。







時は過ぎお昼休み。

待ちに待ったお弁当の時間。

私は自分の席で、叔母さんが毎日作るお弁当を開けた。