羽菜さんはあの不思議な格好のまま、派手なビビットピンクのリュックサックを掴み、行ってしまった。

…羽菜さんかっこいいけど、あんまり見た目に頓着しない人なんだろうなぁ。

元が美人だから、見た目を良くすれば良いんだろうけど。




「ん?羽菜さん行ったのか?」

「ええ。
大学の時間ですからね」

「羽菜さん大学行っているのか?」

「そうですけど。
真島は羽菜さんに会うの、今日が初めてではないですよね?
覚えていないんですか?」

「悪いな。
俺は記憶力良くねぇんだよ」

「そうでした。
真島は小学生以下の馬鹿でした」

「うわーひでぇなーハルキ」



ヒドイと言いながらも、アックンは笑っている。

目もちゃんとね。

まんざら嫌じゃないのかも。



「羽菜さんどこの大学行っているの?」



アユが聞く。




「確か、東谷(とうや)大学ですよ」

「「東谷大学!?」」



うわ!羽菜さん頭良い!!

東谷大学言えば、エリート中のエリートじゃないか!

100人受験して、10人受かれば良い方だとか言われている。

エリート生徒の宝庫とか言われているよね。