放課後。

私たちは高ノ宮男子高校の前にいた。




「アユ、あーちゃん。
どうしたんだぁ?」




相変わらず制服を着崩しながらアックンが聞いてくる。

見るからにエリートの制服なのに。

着崩しているの、アックンだけだよ。




「お兄ちゃん、実はね――――…」

「ふむふむ、なるほど。
勉強場所が欲しいのか」

「どこか良いところない?」

「あるよ」




アッサリとアックンは言う。




「あるの!?」

「ああ。
てか俺も今から行くところ。
アユとあーちゃんも来るか?」

「行きたい行きたい!
アオも来るでしょ!?」



頷くと、アックンが「うーん」と何故か考え始めた。



〈どうしたの?〉

「ん?いや~…そのぉ~…」





アックンにしては珍しく、言葉を濁している。

何かあったのか?