「お兄ちゃん!」



あたしは家に帰って早々、うがいなどもせずにお兄ちゃんの部屋に飛び込んだ。



「お帰り…って、アユ!?
何でお前泣いているんだよ!」



お兄ちゃんは勉強中だったみたいで、シャーペンを放り投げ、あたしの元へ来てくれた。




「どうした!?」

「お兄ちゃ、ん…いたの!」

「何がいたんだ?」



お兄ちゃんに頭をなでられながら、あたしは必死に話す。

上手く呼吸が出来ない。




「ひとまず座れアユ。
落ち着いたら話してくれるか?」

「うんっ…!」



床に座りこみ、荒れた呼吸を整える。






あの時と…同じ気持ちだ。








『あんたなんて、死んでしまえっ!!』









そう叫んだあの日と……。