ルンルン鼻歌を歌いながら学校を出ると、私のスマホにメールを知らせる音が。

歩きスマホは苦手なので、止まってメールを見る。





―――――――


送り主:ハルキくん
題名:無題


いつもの場所で待っていて


―――――――




絵文字のないシンプルなメールだけど、それが彼らしい。

私は再び鼻歌を歌いながら、あの場所へ向かう。





あの日。

彼が病室から姿を消した日。




成宮先生に渡された手紙に書かれていた場所へ。







「ハルキくん!」

「アオ」



歩道橋の上で待つ彼は、やっぱりかっこいい。



「じゃ、行こうか」

「うんっ!」




今から行くのは、図書館。

数学が苦手な私は、今からハルキくんに教えてもらうの。




う~ん。

数学は大嫌いだけど、ハルキくんは大好きだから。




頑張るかぁ!