「それ、本当…?」

「ああ。
俺も最初は信じられなかったけどな。
…何も覚えていなかった」

「そんな…。
あたしのせい?
時期的にあたしが…」

「大丈夫だ。
アユのせいじゃない」

「ねぇお兄ちゃん。
アイツはいるの?」

「いねぇよ…。
高校入ったと聞いていねぇんだ。
今どこにいるかも、わからねぇ…」

「そうなの?
アオの前に現れないよね!?」

「落ち着けアユ。
俺はハルキを見張っておく。
アユはあーちゃんを見張っておけ」

「わかった…!」

「あーちゃんのこと任せたからな」

「任せて。
ハルキくん、よろしくね」

「ああ!」

「じゃああたしお風呂行くから。
明日テスト頑張ってね」

「ありがとな。おやすみ」

「おやすみ」





ねぇアオ。

あたしもお兄ちゃんも、アオの味方だよ。



アオの歌声が大好きなんだ。

上手いとか下手とかわからないけど、幸せそうに歌うアオが大好きなんだ。



早く声が戻るよう。

あたしもおにいちゃんも、信じているから…。