「シロガネくん…何するの?」



読んでいた本もびしょ濡れだ。

友達から借りた、大切な本なのに―――。



「お、お前がウザいから」

「そんなことで…?」

「俺、お前のこと嫌いだから。
俺の前に現れないでくれない?
…さっさと死ねよ」



シロガネは俯きながら言うと、タッとオノの所へ向かった。

オノは私を見ながら、シロガネと行ってしまった。




誰も私を助けない。

だって私は人見知りで、友達なんていないから。

声をかけてくれる人などいなかった。




「アオちゃんヒドい!
これお姉ちゃんの本なのに!」

「びしょ濡れじゃん。
アオちゃん何したの!?」

「シロガネくんに―――」

「アオちゃんヒドい!
シロガネくんがそんなことするわけないでしょ!」

「シロガネのせいにすれば済むと思ったの!?」



私は本を貸してくれた友達に散々責められた。

友達は「最低」と私を罵り、行ってしまった。