「…何故ですか?」

「お前友達いねぇじゃん」

「人付き合いほど苦手なものはありません」

「あーちゃんはその点良い子だぞ?
話せないけど、ちゃんと聞いてはくれるし」



アックンは私の意見を無視して勝手に話を進めていく。

まぁ私の意見って言っても、私は話せないから、心の中で思ったんだけどね。



とことん「嫌です」と否定し続ける敬語男子を無視し、アックンは私の前に敬語男子を立たせた。

昨日も思ったけど、背高いな…。

不思議と威圧感はない。



「コイツ俺の親友の」

「誰がいつ親友になったんですか?」

「水川遥希(みずかわ・はるき)」

「人の話を聞いてくださいよ」

「無愛想で無口だけど、悪い人じゃない。
だからと言って毒舌だから、良い人でもない」

「真島、無視しないでください」

「ハルキの突っ込みをいちいち気にしていたら、会話できない」



呆れたように溜息を吐く水川くん。



「ハルキって呼び捨てで良いから」

「真島、僕はオッケーしていませんけど」

「水川くんよりハルキの方が呼びやすいから」



再び呆れたように溜息を吐くみ、ハルキくん。

そんなに溜息吐いたら、幸せ逃げちゃうよ?