「…銀?」 え…? 夜道に響いたその声に、僕は立ち止まった。 銀…僕が記憶を失う前の名字……。 「銀じゃん。久しぶり」 前から自転車が向かって来た。 乗っていたのは、いかにもチャラそうな男。 多分、僕と同い年ぐらい。 「…」 「んん?もしかして忘れたか?」 …この顔、 どこかで見たこと、ある。 確か名前は…