「この辺の学校って言ったら、お兄ちゃんの所しか思い浮かばないよ」

〈そうだね…〉

「行ってみようよ」



私は頷いた。



退屈な授業を終え、放課後を待った。









「アオ、行ってみよう」



頷きながら鞄を持ち、教室を出た。




暫く歩き、豪奢な門が見えてきた。

高ノ宮(たかのみや)男子高校。

同じく進学校の高ノ宮女子高校や、お金持ちが通う共学の高ノ宮学園がある。

ちなみに私たちの学校の名前は、主に馬鹿が通う、高ノ宮高校。

同じ“高ノ宮”なのに、凄い差だと思う。



丁度授業が終わったみたいで、中からエリートっぽいブレザータイプの制服を着た男子がわらわら出てくる。

あれ?この制服…。



〈アユ、昨日私が出会った男子の制服も、同じだ〉

「嘘!
じゃあ会えるかもしれないね!」



イケメン好きのアユは楽しそうだけど、私は正直会いたくないな…。