花のような笑顔

狼『華!!何でお前、そっちに行くんだ!』


俺がそう叫ぶと華は振り返った。
その顔はこの場全員を震え上がらせるほどに冷たい目をしていた。

なんでだ…。何でそんな目をする。

華がゆっくりと口を開く。


華『分かっていた…。最近みんなの様子がおかしかったのも、何かを私にだけ隠しているのも。それでもみんなが私を大切にしてくれていることもちゃんと分かってた。だから何も気づかないフリをしてた。』


そう言う華の顔は、先程の冷たい目ではなく、悲しそうな目に変わる。

そんな華をみて俺は説明しなかったことをひどく後悔した。
華は確かに強い。でもそれはただただ弱さを隠している強がりだってことになぜ気づいてやれなかった?