花のような笑顔

車の中はしーんとしていた。

潤さんは空気の読める人だ。私が何かを勘づいていることに気づいたのかもしれない。
丁度いい。私は潤さんにひとつの頼み事をした。


何となくこれから起こることを分かっていたから。

手を組んでるなんて言うけれど多分それは違う。

狼とあの女の人の関係は分からないけど、きっと狙われてるのは私。
だからいつも送り迎えも必ず潤さんとしているし、家に狼がいないときは潤さんか駿さんが家の前に常にいる。


色々察したからこそ、必要なものを潤さんに頼んだのだ。

潤さんは少し驚いてはいたが、軽く理由を伝えたら渋々納得してくれた。


ありがとう潤さん。


それからはお互い無言で家まで帰った。