華『狼の悔しがる顔を見たいだけ?だっけ?』


慎『そうだ…俺はそう言ったはずだ。』


こいつ…不器用なのね。


華『本当は違うんでしょ?

貴方はただ女が嫌いなんじゃない。

狼に近づく女が嫌いなんでしょ?

違う?』


慎が女嫌いなんてあってすぐに分かった。
けど、ただ女嫌いってだけなら私を誘拐しようなんて思わない。

なら…本当の目的は私を誘拐する事ではなくて…どんな女か見たかったから。

狼のことを大切に思ってるからこその行動ね。


慎『…なんで分かった?』


華『色んな人を見てきたっていうのもあるけど、直感よ。』


慎『ふっ。なんだよそれ』


そう言って慎は少し笑った。


慎『狼には…中学の時に出会った。』


慎は懐かしむように話しだした。