狼『華、ここで寝たら風邪引くぞ。』


華は俺の声に驚いたのか、ビクっと身体を揺らした。

でも、顔を上げる気配はない。

俺のせいだよな…。


狼『華、顔上げろ。悪かった。』


なるべく優しく言うと、華は恐る恐る顔をこっちに向けた。


華『もう、怒ってない…?』


弱々しい声を出す華を俺は抱きしめた。


狼『怒ってねーよ。

華には初めから怒ってねー。』


華『え、じゃあ、なんで不機嫌だったの?』


不思議そうに聞いてくる華に俺は苦笑いをしながら言った。