『ななちゃん先生、写真撮ろうぜ!』


遠藤くんたちが駆け寄ってきた。


最後のホームルームも終わり、生徒たちはあちこちで写真撮影をしている。


保健室にも、たくさんの生徒が来てくれた。


『いいよ。私のカメラでも撮ってね』


ラグビー部の生徒たちが、私の回りに集まってシャッターが切られる。


『ななちゃん先生…』

遠藤くんが真面目な顔をして、私の向かいに立った。


『最後にひとつお願いがあります。…抱き締めて!』


『無理です!!』


『ななちゃんせんせぇ!』


遠藤くんはよろよろと倒れこんだ。

『お前バカじゃねぇの?ななちゃん先生はみんなのもんだ』

濱田くんが容赦なく遠藤くんのお尻を蹴る。


私は笑い転げながらそれを見ていた。
笑いながら、ちょっと泣いた。


『ななちゃん先生、本当にありがとう。楽しかったよ』


『私も…楽しかったよ。ありがとう。元気でね。またいつでも遊びに来てね』