私は滝野家から遠ざかった。

旦那さまは私を別荘の一つに住まわせ

週に数日通われた。

彼の提案だった。

「華。」

「お帰りなさいませ。」

休日の前夜は必ずいらっしゃった。

「旦那さま。」

「ん?」

「私が寂しいと感じることは許されることでしょうか?」

「君がそう思わないように努力するよ。」

「申し訳ありません。言ってはならないことでしたね。」

私は旦那さまと代理母の契約をしたが

契約以外にも身体を売ったことになる。

それは未経験であって

彼の手で確実に自分のものにできつつあった。

私は女としてどのように自分をコントロールできるかを

彼に教わり身につけた。

その夜もベッドで彼に身体を預けて

彼のすべてを受け入れた。

「華。今夜は避妊しないよ。いいね。」

「はい。」

私は男の子を身ごもり

無事に出産し

産後三ヶ月間は育児を堪能した。

彼は最後に熱い抱擁で私を離さず

長いキスで私を泣かせた。

そして彼と愛し合えた証である最高に愛らしい無邪気な子を

しっかりと腕に抱いて彼は私を見送った。

私は一人で別荘を去った。

私たちの子が放つ甘く柔らかな匂いが私の身体からも漂った。

ゆずるは滝野家で立派に育てられることになった。