タマシイノカケラ

いつもと変わらず、私は車の中で眠り、ユウキが煙草を吸うと、目が覚める。

いつも通り手を繋ぎ、一緒に店内へと向かう。



各テーブルに蝋燭が並べられ、照明自体、数が少なかった。

暗い雰囲気はそのせいだろうと、席に座りながら考えた。



今の私には、丁度良かった。

明るみで、ユウキの顔なんで見られなかったし、見たくなかった。



「飲み物はどうする?」
「…ユウキと同じでいいよ」
「それじゃつまらないよ」

オーバーに落胆して見せたあと、勝手にフルーツワインと、ソーダ水を注文した。

「メインは魚でいい?」

私は1度だけ、コクンとうなづいた。

手早く前菜とメイン料理をオーダーし、かしこまりましたとボーイは姿を消した。

2人きりのテーブル。

居心地が、悪かった。



何を話せばいい?

…話す話題が見つからない。

ナオヤと会っていた時、連絡を取らずにいた事を謝るべきか。

でも急にそんな話だったら、変に疑われる。


ありったけの発想で、話題を作ろうとする。