タマシイノカケラ

到着しても、すぐには私を起こさない。

エンジンをかけたまま、一服する。

窓を半分だけ開けて、煙を外へ逃がす。

風が少しだけ頬を撫でると、私は覚醒する。

隣で、彼は微笑む。

灰皿にタバコを捨て
頭を2、3度軽く叩く。行くよと囁く。

車から出ると、左手が差し出される。
指をからめて、私はしっかりと握る。



ユウキの手。

少しだけ厚くて、しっかりした手。
指は私と同じぐらいの長さ。だけど、男と判断できる、太さがある。

夕食はユウキの趣味で、毎回違うお店。






この前はパスタが美味しかった。

その前は、焼きたてのナンが美味しいカレー屋。





今日は、暗い店内が印象的な、フレンチのお店。