昨日から、ユウキと連絡を取り合っていない。

愛車の中で、片想いの人と、大好きな酒を飲んで──ユウキの事、忘れていた。



違う。
忘れていたんじゃない。

思い出さないように、してただけ。



何度も鳴るケータイに手を伸ばすが、画面を見ようとはしなかった。

ナオヤとの空間を、ユウキで壊したくなかったから…。




溜まりに溜まったメールは8件。

着信は無い。

悲しい様な、ウザイ様な複雑な思いが私の思考をまた、暗くする。



思いきって、一番新しいメールを読む。






『今日は早く帰れそうだよ。日曜だし、どっか行こうか?』

どこに居るの?
何してるの?

ありきたりだけど、恐れていた文字は、どこにも無かった。

スクロールする、最後の文字で、指は止まった。