少しずつ、見えるミライ

ん? その質問は何かの予防線なの?

今日って、何かある日だったっけ?

てか、もしかして、本当にこれから何かねだろうとしてるとか?

若干、遠慮がちに言うあたりが、ちょっと怪しい.......



「俺も出がけに言われるまで全然忘れてたんですけど、今日って、亜美ちゃんの誕生日なんです。」

「そうなの? 知らなかった.....って、あれ?誰に?」

「あ、言ってなかったですよね。実は亜美ちゃん、俺の元相方と付き合ってるんですよ。」

「え〜っ!? そうなんだぁ。」



なるほど。納得。

だから、未だに亜美ちゃんと仲良いのか。

ゼミが一緒だったとか言ってたけど、それだけじゃなかったんだ。



「で、ここからが、本題なんですけど.......。」



急に黙り込んだかと思ったら、彼は深呼吸をして、かしこまった顔になった。

え? ちょっと、何? 何?

何だかよくわからないけど、そんな目で見られたら、私まで緊張しちゃうじゃない.......



「単刀直入に言います。今夜、泊めてくれませんか?」

「.......えっ?」



嘘、嘘、嘘でしょ!?

まさか、本気で言ってるの!?

だから、心の準備が出来てないってば。

あり得ないから、こんなこと!!