どうして彼はこんなに優しいんだろう。

私なんかを、こんなに大切にしてくれるんだろう。



彼を失ってしまったら、私はもう二度とこんな気持ちを味わえないかもしれない。

だから、今、言わなくちゃ。

今度こそ、ちゃんと言葉にして.......



「私ね、.....朝陽君が好き。だから、ずっとそばにいて。」

「未帆さん.....。」



感激屋さんの彼は、あっという間に目を潤ませたかと思ったら、今度はすぐに泣き笑いみたいな変な顔になって、痛いくらいにきつく私を抱きしめた。



「当たり前じゃん。前から何回も言ってるでしょ。俺、ずっと本気だから。」

「.......。」

「未帆さんが嫌だって言っても、離さない。」

「うん。」

「ありがとう。『好き』って言ってくれて。その言葉をずっと待ってた。」

「そう、だったの?」

「だって、約束したでしょ? そろそろ、ちょうど一か月だよ。」

「そうだね。」

「一番聞きたかった言葉がやっと聞けたから、ホッとした。これで、未帆さんは、俺のものになったんだよね。」

「うん。」

「あぁ、もう超嬉しい。」



彼はそう言うと、嬉しくてたまらないっていう顔で、軽くチュッとキスをした。

こういう時の顔は、やっぱり子供みたいで、本当に可愛い。