ガチャ


リビングに着くと、かな兄がご飯の用意をしててくれた。

「みぃ、おはよ。今日は文化祭だね」

「かな兄おはよ。うん、楽しみなの」

「兄貴、美晴の熱計りたいからよろしく」


その言葉を聞いたかな兄は、ガシッと私の身体を掴んだ。

「へ?」


驚いてる間に、ひな兄に体温計を滑り込ませられて、かな兄に腕をガッシリ押さえつけられた。


見事な連携プレイに、されるがままだった。



体温計が鳴るまで、静かな空気が流れた。


ピピ、ピピ、ピピ


スルリと体温計を抜き取ったひな兄の顔は強張っていた……


「熱、ないんだよね?」

「………多分?」

「どうして疑問系なの……」

ひな兄は呆れ顏。


そんなひな兄の様子を見ていたかな兄は、体温計の表示を覗き込んだ。


「みぃ……これは、熱はないとは言えないな……」

そう言って渡された体温計の表示は、

37.7………