体調が悪いと自覚してから、文化祭までの数日間、かな兄とひな兄の疑いの目を向けられながらも、何とかやり過ごしてきた。

でも毎日の送迎を止めることは、かな兄が許してくれなかった……

彩さんにも迷惑掛けちゃったな〜。


そして迎えた文化祭当日。

目眩が少しだけあるけど、きっと大丈夫……


「美晴?おはよ」

ひな兄が起こしてくれた。

「ひな兄、おはよ」

そう言うと、毛布ごと抱き上げてくれるひな兄の優しさについつい甘えちゃう。

ギュッと首に腕を巻きつけると、

「……美晴?後で熱、計ろうか……」

と渋い顔をして言われてしまった。


「熱?熱なんてないよ」

ここまで来たんだから、今日は絶対に行きたいもん。

「行く行かないじゃなくて、今の美晴の体調確認なだけだから」

ひな兄、行っちゃダメって言わないかな……