美晴が自宅安静になってから、初めての遠出。


司さんが一緒に居てくれるから安心だけど、何かあるんじゃないかと朝から胸騒ぎがしていた。

仕事が夜勤明けで昼までだった事もあって、俺は会場の近くに車を停めて、仮眠をしていた。

そこで鳴った携帯……




司さんからの電話に、俺の胸騒ぎも捨てたもんじゃないなと思った。

多分、美晴限定だけど……




急いで車を会場の入り口近くに回すと、直ぐに、美晴と司さんを発見した。



「司さんっっ」

司さんに駆け寄ると、美晴は青白い顔をしていた。

「人酔いだと思う。貧血が少し出てるから、安静にした方がいいかな。
さっきまで平気そうだったんだけどね」

と。困った様に言葉を紡いだ司さん。

「ありがとうございます。とりあえず連れて帰ります」