「着いたよ。また明日迎えにくるからね」

「うん、待ってるね」

いつものやりとりだけど、今日からは新たな関係になったんだし、少しくらい、いいよね。




「桜」

車を降りようとする桜を呼び止める。

「なにっっ」

俺は桜の肩を掴んで、小さな唇にキスを落とした。

チュッ

「〜〜〜っっ‼︎」

驚いて口元を覆った桜。

「桜、おやすみ」

真っ赤な顔の桜が可愛くて仕方ない。

「もぅっっ‼︎ 突然ビックリするじゃないっっ‼︎」

「ふふ。そんな怒ってる桜も可愛いよ」

俺の言葉に更に顔を赤くした桜は

「お、おやすみ……司っっ」

そう言ってドアを閉めた。

「っっ……‼︎ 不意打ちの名前呼びは照れるな」

まだ時間が掛かると思っていたのに、まさかの名前呼びをされて、照れてしまった。