テストを受ける準備を終えて、始まりの合図を待つ。



キーンコーンカーンコーン

テスト開始のチャイムが鳴った。

「始め」

彩さんは教室の雰囲気と同じ様に声を掛けてくれた。

それが凄く嬉しくて、心が温かくなった。


スーーハーー

深呼吸して、答案用紙に向かった。



…………カリカリカリカリ


私のシャーペンの書く音だけが保健室に響き渡る。



数十分後…

コト……


解き終わり、シャーペンを置く。


「ふぅ……」

深いため息を付いて、頭を机に預ける。



「え、みぃちゃん。もう終わったの?」

彩さんは私の行動を見て驚いた声を出した。


「うん…見直しもしたし、大丈夫だよ」


「そういう問題じゃなくて、まだ30分以上残り時間あるよ」


「いつもこんな感じだよ」


「そうなの?それより、少し横になる?みぃちゃん辛そうだよ」

彩さんに言われて、自分の体の怠さに気付いた。

「………そうしようかな…
今の科目の終わりの時間まで少し寝るね」



そう言って、ベッドに横になった。

疲れていたのか直ぐに眠ってしまった…



「ほんと頭良い家系なんだね…
そう言えば、テスト中の彼方も同じ感じだったな。
直ぐに解き終わってた」

彩さんが私の答案用紙を見て呟いていたことは知らなかった。